【検証】VIX指数が30を超えたら買い場は本当?買うべきETFは?

この記事で分かること
  • VIX指数の概要
  • VIX指数が30超えで投資はありか
  • VIX指数と相性の良いETF
目次

2か月振りにVIX指数が30超え

2022年4月29日、約2か月振りにVIX指数が終値で30を超えました。

続く5/2、5/3も30超えの状態が続き、3日間連続の30オーバーとなりました。

巷ではVIX指数が30を超えると買い場であると言われています。今まで実際に確認したことがなかったので、これを機に確認していこうと思います。

VIX指数とは?

大和証券の「金融・証券用語解説」では以下のように説明されています。

英語表記「Volatility Index」の略で、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出・公表している、S&P500を対象とするオプション取引のボラティリティー・インデックスのこと。
相場に対する先行きの警戒感といった投資家の心理を反映するため、通称「恐怖指数」と呼ばれています。通常は10~20の間で推移し、20を超えると強い警戒感を示すとされています。

https://www.daiwa.jp/glossary/YST1224.html

要はS&P500を対象に、将来の価格変動の見込みを表す指標であるようです。

VIX指数が30超えたら買い場?

先の大和証券の説明では、20を超えると強い警戒感を示すとされています。

以下はVIX指数の月足チャートです。見づらくて申し訳ないのですが、大体黄色の線が20付近です。

VIX指数_月足チャート
VIX指数の月足チャート

2020年以降は20を結構頻繁に超えています。

上記を踏まえ、30を超えることは年に数回くらいしかなく、その時は株価が大きく下がっていることが多いので、買い場だと言われていると考えます。

ちなみに2020年3月のコロナショックの際は指数がなんと80オーバー。リーマンショック時は96まで上昇したので、近年ですとそれに次ぐ上昇となりました。

検証してみる

検証の前にざっとアウトラインを確認します。以下の図はVIX指数とSPYを比較したチャートです。

VIX指数とSPYのチャート
VIX指数とSPYの比較チャート

オレンジがSPY、青がVIXのチャートです。左端の2012年6月ごろを基準とし、%表記となっています。

コロナショックの2020年3月を例にとると、VIX指数が急上昇しているのに反してSPYも大きく凹んでいます。チャートを見る限りでは逆相関となっていそうですね。

本当は相関係数を計算してどれくらい逆相関となっているかまで見たかったのですが、別途時間をとってその部分は検証できればと思います。

検証ルール

検証ルールは以下としています。

検証ルール
  1. VIX指数が3日連続30を超えた日を開始の基準とする
  2. 比較対象は投資信託ではなくETFとする
  3. 一定期間経過後の価格を開始基準日と比較し、パフォーマンスを算出

1.VIX指数が3日連続30を超えた日を開始の基準とする

比較基準は悩んだのですが、瞬間的にVIX指数が30を超えるときはままあるので、今回はダマしの排除と実際に買うことができるタイミングを考慮して、3日連続終値が30を超えた日を開始の基準日とします。

また、2020年以降を対象としています。

2.比較対象は投資信託ではなくETFとする

今回は投資信託ではなく、主要指数に連動するETFを検証の対象としています。投資信託ではどうしてもその日中に購入することができないので、スポットで買い増しが可能なETFを選定しました。

対象のETFは以下の4種類です。

・VTI ⇒全米
・SPY ⇒S&P500
・QQQ ⇒ナスダック100
・DIA ⇒ダウ

3.一定期間経過後の価格を開始基準日と比較し、パフォーマンスを算出

以下の期間経過後の終値と比較し、何%変動したかパフォーマンスを算出しました。

・1週間後
・1か月後
・3か月後
・6か月後

検証結果

検証結果は以下の通りでした。算出できない期間は「-」とし、統計結果からは除外しています。

※2022年5月9時点

検証結果_VTI

VIXの終値が3日連続30以上
_3日目
1週間後1か月後3か月後6か月後
20200302-12%-19%0%17%
202005144%9%20%31%
202006152%5%12%25%
202009082%5%14%19%
202010285%12%19%31%
202101295%6%13%18%
202201274%2%-3%
20220303-2%5%
20220509
     
平均1%3%11%24%
中央値3%5%13%22%
プラ転する確率75%88%86%100%
※2022年5月9時点

検証結果_SPY

VIXの終値が3日連続30以上
_3日目
1週間後1か月後3か月後半年後
20200302-11%-18%0%17%
202005143%8%19%28%
202006152%5%11%21%
202009082%4%12%16%
202010287%11%16%29%
202101295%5%14%20%
202201274%1%6%
20220303-2%5%
20220509
     
平均1%3%11%22%
中央値3%5%12%21%
プラ転する確率75%88%100%100%
※2022年5月9時点

検証結果_QQQ

VIXの終値が3日連続30以上
_3日目
1週間後1か月後3か月後半年後
20200302-11%-14%9%40%
202005143%8%23%33%
202006154%9%17%29%
202009083%4%14%11%
202010286%10%19%25%
202101295%3%8%17%
202201274%2%-7%
20220303-3%8%
20220509
     
平均1%4%12%26%
中央値3%6%14%27%
プラ転する確率75%88%86%100%
※2022年5月9時点

検証結果_DIA

VIXの終値が3日連続30以上
_3日目
1週間後1か月後3か月後半年後
20200302-11%-20%-3%10%
202005144%9%19%28%
202006154%7%12%21%
202009082%3%10%17%
202010285%12%16%29%
202101294%5%14%18%
202201272%-1%-2%
20220303-2%4%
20220509
     
平均1%3%9%20%
中央値3%4%12%20%
プラ転する確率75%75%71%100%
※2022年5月9時点

2020年以降では約75%の確率で1週間後にはプラスに転じています。

また、一部2022年になってからの記録は計測できていませんが、半年後には全ての銘柄でプラスに転じていることがわかりました。

VIX指数との相性の良いETFですが、安定を重視するならSPY、リターンを重視するならQQQということになりそうです。

ただ2022年はベアマーケットに突入しているため、プラスに転じるには上記シミュレーション結果よりは長い期間が必要になるかもしれません。

まとめ

1.VIX指数はS&P500を対象に、将来の価格変動の見込みを表す指標
2.VIX指数が30を3日連続超えたタイミングでのインは投資妙味あり
3.安定重視ならSPY、リターン重視ならQQQが良い

いかがだったでしょうか。

闇雲に下がったタイミングで買うよりかは、VIX指数の値を参考にしつつ買い増しを行うことで、リスクを抑えつつリターンも期待することができそうです。

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このサイトを運営している人

4大生保勤務です。
リテールを経て、現在はIT部門。
2021年から米国株投資を開始しました。
本業の保険や機械学習、投資について発信していきます。

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