はじめに
この記事では2022年現在、生命保険会社の総合職として働いている筆者の経験を踏まえ、生保総合職に向いていない人をお伝えできればと思います。
- 大手生保から内定をもらったが、入社するか迷っている
- 生保業界に興味があるが自分に合っているか不安
- 金融業界の就職を考えている
※大手生保は4大生保(日本生命・第一生命・明治安田生命・住友生命)を指します
また、生保総合職に向いている人の記事も書いていますので、こちらも読んでいただけると嬉しいです。
実際に働いてみての意見ですが、一言でいうなら「業務に対する年収のコスパが良い」になります。
筆者スペック
記事を読むにあたって、多少は筆者の人となりがあったほうが比較として良いと思うので、簡単にですが記載しておきます。
【現在】
- 4大生保勤務。経歴はリテール⇒IT部門。
- 理系、学部卒。専攻は理学。
【就職前】
- 業種は金融メイン。
- 年収、業種の順で企業は選択していた。
- 生保の面接時点でやりたいことは決まってなかった。当時はホールセール(法人営業)やりたいですと言ってた。
向いていない人
向いていない人の特徴は以下の通りです。
項目に多く当てはまる人ほど、入社後にギャップとしてネガティブな気持ちが溜まっていくと思います。
- 年収よりもワークライフバランスを重視したい人
- 地方で働きたくない人
- 人とのコミュニケーションが得意ではない人
- 手に職をつけたい人
- より年収の高い業種へ転職したいと考えている人
①年収よりもワークライフバランスを重視したい人
いわゆる電通過労死事件以降、金融業界にもかなり長時間労働の是正が行なわれはしましたが、それでも他業種と比べて労働時間は長い傾向にあります。
どこまでを長時間労働と捉えるかは人によりますが、ざっくりの労働時間イメージは
週4:9時~20時
週1:9時~18時
と思ってもらって大丈夫です。ただしこのあたりの事情は部署によるので、忙しい部署に配属されると週5で9時~22時みたいなことも起こりうるのでその点は注意が必要です。
②地方で働きたくない人
総合職なので全国転勤は当たり前といえば当たり前なのですが、大手生保はどこもほぼ全都道府県に支社が存在します。特にリテール(個人保険市場)を志望する場合は、その各都道府県にある支社に配属される可能性が高くなるため、思ってもないような地方で数年働く可能性があることは覚悟しておくといいかもしれません。
逆に、システム部門や資産運用部門は比較的長期間同じ領域でいることが多く、転勤があったとしても東京や大阪にしか部署が存在しないので、地方への転勤をしたくない方は先述した部門を志望することをお勧めします。
③人とのコミュニケーションが得意ではない人
社外とのやりとりはもちろん、大企業なこともあり社内調整がとにかく多いです。様々なバックグラウンドを持った人と円滑な関係を築くことが求められ、どんな人ともそつなくコミュニケーションがとれないと日々の仕事が結構しんどくなります。
また、基本的に多くの部門では2~3年で部署移動が発生することから、自身を取り巻く人間関係がガラリと変わる機会が多いです。なので、人間関係構築にストレスを感じる方は入社後結構苦労すると思います。
④手に職をつけたい人
何か専門性を身につけたいと思っている方は、あまり生保業界をお勧めしないです。というのも、生保業界のリテールやホールセールは保険業界の中でしか通用しない閉じたスキルしか身につかないことが多いです。生命保険業界でキャリアを築きたい方であれば問題ないですが、専門性を身につけて市場価値を上げたいといった考えを持っている場合は、資産運用や会計、システム部門のような領域をお勧めします。
⑤より年収の高い業種へ転職したいと考えている人
④で述べたことに関連しますが、漠然と生保業界でキャリアを積み重ねていっても転職市場で評価されるような専門性は身につかないです。
また厄介なことに5~6年勤務を続けると、年収が800~900万台に到達します。そうなってくると、今の年収より高い会社にしか転職したくないと考える場合、外資コンサルのようなさらに激務な業種しか選択肢がなくなってきます。年収の上がり幅より業務時間の増え幅のほうが大きいので、コスパで考えるといまいち納得しないケースに陥ります。
なので上記のような考えを持っている方は、一時的な腰掛けとして入社するか、上記のような専門性の身に付きやすい部門を志望することをお勧めします。
まとめ
いかがだったでしょうか。まとめると「ワークライフバランスや都会での勤務を重視する方、より年収の高い業種への転職を見据えている方」は大手生保への就職をあまりお勧めしないです。
とはいえ冒頭で述べた通り、総合してコスパの良い業種ではありますし、一緒に働くことになる同僚も優秀な人間であることが多く、現状働く環境としては恵まれているのではないかと思っています。特に一時的な腰掛けとして入社をするのであれば、多くの人にとって良い選択肢になると思います。
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この記事が大手生保に興味を持っている人への一助になれば幸いです。