「ストックトレーダーズ・アルマナック」(STOCK TRADER’S ALMANAC)をご存じでしょうか。
一言でいうなら、米国株式市場におけるアノマリー(経験的に観測されるマーケットの規則性)が多数掲載されているトレード手帳です。なお、このアノマリーは主要指数に関するものがほとんどです。(ダウ・S&P500・ナスダック・ラッセル等)
多くの米国株投資家が愛用しており、投資インフルエンサーで有名なじっちゃまも過去何度か紹介していた本です。
一方で現状は英語版しか出版されていないようで、最近は便利な翻訳サイトがあるとはいえ、英語が苦手な方にとっては少し手を出しにくいかと思います。
今回は実際に購入してみたので、どういった情報が書かれているか解説していきます。
購入の際の判断材料としていただければと思います。
紙面構成
今回は実際に購入した2022年版の本を元にしています。総ページ数は約200ページでした。
紙面構成は以下の通りです。
・2022年度版のイントロダクション(3ページ)
・2022年度の見通し(2ページ)
・2022年の年間カレンダー(2ページ)
・1月~12月の年鑑(約110ページ)
・2023年の年間カレンダー(2ページ)
・トレーディングパターンとデータバンク(約60ページ)
・投資戦略の計画と記録セクション(約20ページ)
2022年度版のイントロダクション
このセクションでは、洋書でよくある謝辞や、今回の版でアップデートされた情報が記載されています。
またここではこの後のカレンダーで登場するアイコン(ブル・ベア・魔女)の説明も行われています。
2022年度の見通し
ページ数自体は少ないものの、2022年度の見通しがコンパクトにまとめられています。
とりわけ2022年度は大統領選挙の中間選挙の年であるため、中間選挙の年に株価指数はこう動く、といったデータが記載されています。この後も一貫して中間選挙であることを踏まえたデータが提示されるため、米国の株式市場における大統領選挙の重要さが感じ取れます。
2022年の年間カレンダー
こちらは見開き2ページで、年間のカレンダーが記載されています。オプションの期日が強調されているくらいで、他にこれといったポイントはないです。1年の全体観を掴むにはこのページを活用すると良いかもしれません。
1月~12月の年鑑
ちょっと表現がおかしいですが、各月の年鑑が100ページ以上にわたって記載されています。
この手帳を買うまでは、始めと終わりにちょこっと投資に役立つ情報が記載されていて、他の大部分は投資記録用のページかなと思っていたのですが、がっつりアノマリー情報が記載されていて嬉しい誤算でした。
構成としては、見開き2ページの内、左半分はその月の統計データやアノマリー情報がびっしり記載されています。そして、右半分に週間のカレンダーと投資格言が記載されています。
月の初めのページには、その月の統計情報がまとめられています。
例えば、1年の内でこの月が何番目に良い月かが指数毎に書かれていたり、ベストとワーストの日が書かれていたりします。
つまり、手帳の内半分以上は投資家が欲しいであろうアノマリー情報が記載されていることになります。
メインが投資情報で、カレンダー部分がむしろおまけといった構成に感じられました。普通の本と変わらないくらいの読み応えはあります。
2023年の年間カレンダー
2022年のカレンダーと同様の構成です。特筆すべきポイントはなしです。
トレーディングパターンとデータバンク
ここでは、アノマリーというよりは各主要指数の統計データが記載されています。
例えば、1954年から2020年までの期間で、S&P500が上昇した確率が日毎に記載されているデータなどが記載されています。
70%以上の確率で上がっている日があったり、逆に70%以上の確率で下げている日もあったりと、日々のトレーディングに活かせそうな情報が盛りだくさんです。
投資戦略の計画と記録セクション
この部分は、トレード手帳らしい計画や記録をするエリアとなっています。一般的なトレード手帳と変わらないので、特筆すべきポイントはなしです。
買う価値はあるか?
いかがだったでしょうか。
実際に本書を購入してみての所感ですが、買う価値は十分あったなと考えています。
その理由としてアノマリー情報は、ファンダメンタルで投資をする方、テクニカルで投資をする方のどちらにとってもベースの知識としてもっておくことで、売買のタイミングの補強情報として役立つと考えるからです。
ただし大きく内容が変わることはないと思うので、お金のことも考慮すると1度買っておけば毎年買う必要はないかなと思います。
後は、やや出版年は古いですが、同じ作者による「アノマリー投資」という日本語訳された本が発売されているので、こちらも購入してみるのもありだと思います。
今回の記事が、みなさんの投資の一助になれば幸いです。