本日は2020年に統計検定2級に合格した経験を踏まえ、実際に使ってみて合格に役立ったなと思う参考書をご紹介します。
統計検定2級を受けようと思っているが、参考書がたくさんあってどれが良いのかよくわからない、堅苦しい参考書が多いからとっかかりとなる参考書が知りたい、というお悩みを解決します。
ちなみに、「統計検定2級 勉強時間」で検索すると合格に必要な勉強時間は約80時間と出てきます。
振り返ってみるとほぼ知識も何もない状態で勉強を始め62時間で合格できたので、参考書のチョイスとして大きく外してはいなかったのかなと考えます。
受験前のスペック
まずは筆者のスペックを簡単に紹介しておきます。バックグラウンドが近い方は参考になるのではないかと思います。
・理系。学生時代に統計学を扱った経験はなし。
・統計学に関する知識はほぼなし。もちろん業務で扱った経験もなし。
・「中央値」や「標準偏差」といった用語はなんかきいたことあるな~といった程度。
ご覧の通りですが、理系だったとはいえ社会人になってからはもちろん、統計とはほとんど関わりのない生活を過ごしていました。なのでほぼ一からスタートする状態だったといえます。
おすすめの参考書5選
- マンガでわかる統計学
- マンガでわかる微分積分
- まずはこの一冊から 意味がわかる統計学
- 完全独習 統計学入門
- コア・テキスト統計学
おすすめしたい参考書は上記の通りです。ここからはそれぞれの良かった点を簡単にご説明します。
①マンガでわかる統計学
なじみのない分野や、とっつきにくい分野の学習を行う際は初めのハードルをできるだけ下げることが一番大切だと思っています。そこでおすすめしたいのが、いわゆる「マンガでわかる」系の書籍から読み始めることです。
もちろんマンガなので絶対的に詰め込められる情報が不足するというデメリットはありますが、裏を返せばその分野のエッセンスだけが詰め込まれているともいえます。
本書を監修している「メダカカレッジ」さんは、「わかりやすい説明ができないのは、そもそも説明者が内容をわかっていないからだ」を合言葉と掲げているだけあり、オオカミとヒツジのキャラを使ってかなりかみ砕かれたわかりやすい説明をしてくれています。
良かった点としては、統計学の中でここが大事だという箇所を明確に示してくれていたことです。
例えば、「平均・分散・標準偏差」についての章であれば分散について集中的に説明が行われ、「いろいろな分布」についての章では「中心極限定理」が統計でいちばん重要な定理だと言い切ってあり、読む側としても自然と「ここは気合を入れて読む必要があるな」とスイッチを入れることができました。
②でご説明する「マンガで分かる微分積分」も同様の「メダカカレッジ」さんが監修しています。マンガで登場するキャラも同じで2時間もあれば読むことができるので、続けて読んでしまうことをお勧めします。
②マンガでわかる微分積分
統計検定では微分積分を基礎知識として知っておく必要があります。2級の範囲では複雑な微分積分の解法は求められないので、こちらも①と同様のマンガでわかるシリーズで苦手感を失くしておきましょう。
本書で大ざっぱな概念の理解をしておけば、実際に過去問で微分積分を行うとなった際にそこまで苦労することなく理解することができるのではないかと思います。
こちらの本も2時間もあれば読み終えることができると思います。
③まずはこの一冊から 意味がわかる統計学
マンガを読んだ次のステップとして、入門書という位置づけの中で一番内容が頭に入ってきた書籍の内の1つが本書でした。
「これから学び始める人に最適の一冊!」というふれこみどおり、数学の苦手な人でも推定・検定の本質を理解できるように配慮がされていました。
難しい数学を使わないような説明に加え、どうしても出てくる数式については豊富な文字でこの数字が何を表しているのかを補足してくれています。
お堅い教科書と違って初学者に目線を落として書いてくれているなと感じました。
④完全独習 統計学入門
こちらも③と同様入門書という位置づけです。Amazonのレビューでもかなり評価が高いです。
③と同様初学者向けの平易な説明がされていることはもちろん、特に面白いなと感じたのは通常「95%信頼区間」として使われている言葉を、本書の中では「95%予言的中区間」という造語を用いて読者に統計のエッセンスを届けようとしている点でした。
私は先に③の書籍をベースに、副参考書として本書を利用していましたが、分かりやすさはどちらも抜群だったので、どちらを手に取っても満足いただけるのではないかと思います。
⑤コア・テキスト統計学
最後は「コア・テキスト統計学」です。私が購入したのは第2版でしたが、現在は第3版が出版されています。
表紙はとっつきにくそうなのですが、中身は初学者でも分かりやすい内容でした。経済学や金融にややフォーカスを当てた内容とはなっており、他の入門書で出てこなかった用語の理解に主に役立ちました。
例えば、ジニ係数やラスパイレス指数、ポアソン分布の説明が非常に分かりやすかったです。
マーケティングや金融に関係する業務を行っている方や、経済学・金融経済学を専攻している学生さんなんかはよりおすすめではないかと思います。
番外:統計学が最強の学問である
こちらは直接統計検定2級の合格に寄与するものではないですが、そもそもなんで統計の知識を身につけたいだっけ?となったときのモチベーション維持として一役買ってくれるのが本書です。
出版当時は結構話題になったので、社会人の方ですとお持ちの方もいるかもしれないです。
勉強の合間の気分転換として読むのに最適ではないかと思います。出版から結構年月が経っているので、中古本に抵抗がなければ古本屋から注文すると送料込みで300円くらいで入手可能です。
おわりに
いかがだったでしょうか。
統計検定2級は、受けるまでは難しい資格のイメージを持たれている方が多いと思います。
私もその一人でしたが、取り掛かりやすい参考書から手を付け始めて、徐々に理解できる範囲を増やしていくことで着実に合格に近づくことができたと思います。
いきなりレベルの高い参考書から始めるとモチベも下がりがちになってしまうので、現在の自身のレベルにあった参考書を選んで少しずつレベルを上げていくことが、ストレスなく合格できる方法かなと感じました。
今回の記事がみなさまのお役に立てば幸いです。